更生不可能な三菱自動車

 三菱自動車が軽自動車の燃費試験データを不正操作していたことが発覚した。

 三菱自動車は過去にもリコール隠しで問題になり、2004年に私は三菱自動車に物申すで、これは三菱自動車という組織の体質的な問題なので簡単には是正されないと指摘し、まとめとして以下の見解を述べた。

会社あるいは技術屋が、クレームをお客様からの最大の意見、会社を発展させる為の提案ととらえる謙虚な姿勢を失ったら おしまいである。
三菱には、上記謙虚な姿勢が営業を含めて全く見られない。
クレームを取り上げるどころではなく、逆に分かった事実を隠す会社、これは犯罪であり、社会にこのような会社が存在することを許してはならない。
会社には体質があり、それを企業風土と言ったりするが、これは長年掛かって形作られたものであり、簡単に変えられるものではない。従って、三菱は良い方向に変ることは不可能であろう。
三菱が潰れると社会的影響が大きいが、仮に生き残ると社会に与える害毒が大きい。消費者は冷静に考えて、判断を下す必要がある。

 この三菱自動車のように組織体質の悪弊のために問題を起こし続けて全く改善されない組織は日本にいくつもある。組合がらみのJR北海道、社会保険庁から名前だけ変えた日本年金機構、高速増殖炉もんじゅを管理する日本原子力研究開発機構。日本原子力研究開発機構については、昨年11月に原子力規制委員会が運転を任せるのは不適当だとして代わりの運営主体を明示するよう文部科学大臣に勧告している。もんじゅには既に1兆円以上の税金をつぎ込んで、さらに毎年200億円程度の金をじゃぶじゃぶと使っている。

 良く考えるとこの自らの体質を変えることが出来ないのは日本全体の特徴かもしれない。

 黒船によって開国させられ、一旦富国強兵の方向に走り始めたら、日清・日露戦争で勝ったことに調子付いて中国侵略、真珠湾攻撃と突っ走り、戦後は平和国家となったら金の亡者となって突っ走る。一旦、赤字国債を発行することを覚えたら際限なく赤字国債を発行し、これで国が潰れる事に全く責任を持とうとしない政治ども。安倍にいたっては、金融緩和だといって日銀に赤字国債を買い取らせるだけでなく、財政出動で税金のばら撒き放題。

 日本全体が反省もなく、体質改善能力がないのかもしれない。危ないのは三菱自動車より日本の方かもしれない。

(2016年4月23日 記)

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